米国の住宅ローン会社のブログでは、400本超のうち107本が前四半期にクリックゼロだったと、寄稿者が2026年10月8日に報告しました。
本記事は、宅建業免許(東京都知事(1)第113520号)を保有し、AI導入コンサル100社超の実績を持つ株式会社オルセル(不動産のチカラ運営)が解説します。クリックゼロのページとは、検索結果に表示されてもほとんど訪問されないページのことです。HousingWireに掲載された寄稿では、SEOとAI検索の代理店RankWritersの共同創業者が、住宅ローン会社のブログで前年同期比のクリックが35.8%減ったと報告しています。対象は米国の貸し手ですが、自社ブログや物件コラムを持つ不動産会社にも、そのまま置き換えられる論点です。なお、これは編集記事ではなく寄稿者個人の見解と運用データである点にご注意ください。
何が報告されたのか
寄稿によると、対象のブログは400本超の記事で構成され、そのうち107本が前四半期に1クリックも取れませんでした。ある1ページは検索結果に17万回超表示されたのに、訪問は13回だけでした。基本的な用語解説の記事は約29万回表示され、訪問に至ったのは約0.1%と書かれています。
前年同期比の数字も示されています。クリック数は35.8%減、表示回数は26.7%減です。一方で、平均掲載順位は12位改善しました。順位が上がっても訪問が減るという、従来のSEOの常識と逆の動きです。
寄稿者は、この減少の原因がGoogleのAI Overviews(検索結果の上部にAIが要約を表示する機能)だと断定はできないと慎重に述べています。ただ、定義や基本説明のような一般的な情報ほど減少が大きく、予算の組み方や繰り上げ返済、特定の物件事情のような具体的なページは伸びていると指摘しています。数字は寄稿者が運用する一事例で、他社に同じ傾向が出るかは要確認です。
日本の不動産事業者にとっての論点
日本でも、「重要事項説明とは」「仲介手数料の相場」「敷金礼金の違い」といった定義系の記事は、AIの要約だけで疑問が解決しやすい領域です。自社ブログにこの種の記事を数十本積み上げてきた会社ほど、表示は増えても問い合わせに結びつかない状態に陥りやすくなります。
Google検索セントラルの公式ガイダンスは、AI OverviewsやAI Modeに表示されるための追加の技術要件や特別な最適化は不要で、従来のSEOの基本が当てはまると説明しています。同時に、AI機能に表示されたサイトのデータはSearch Consoleの検索パフォーマンスに含まれ、検索タイプ「ウェブ」で確認できます。つまり、自社の落ち込みがどのページで起きているかは、新しいツールを買わなくても確認できます。
見落としやすいのは、順位だけを追う運用の危うさです。寄稿でも、順位は上がっているのにクリックは約3分の1減っています。SUUMOやアットホームなどのポータルに頼らず自社サイトで反響を取りたい中小の不動産会社にとって、順位ではなく「クリックと問い合わせ」を指標に置き直すことが、最初の一歩になります。
今後の展望と初動アクション
寄稿者は、各ページを「投資する」「用途を変える」「統合する」「手放す」の4つに仕分けることを勧めています。これを不動産ブログに当てはめると、次の3ステップになります。
第一に、Search Consoleで直近3か月の表示回数が多いのにクリック率が極端に低いページを洗い出します。第二に、定義だけで終わる記事は、地域の相場、自社の取引事例、手続きの実務上の注意点など、自社にしか書けない情報を足して作り直すか、似た記事に統合します。第三に、エリア別の賃料動向や購入時の費用の試算のように、読者の判断に直結するページに更新の時間を集中させます。
Googleの公式ガイドは、検索エンジン向けの量産や更新日の書き換えを見直しのサインとして挙げています。AIで記事を量産する運用をしている会社ほど、本数ではなく中身の再点検が必要です。また、寄稿者はAIに引用されること自体は可視性の指標にすぎず、事業価値を自動的に生むものではないとも述べています。引用された回数ではなく、問い合わせ件数で効果を測る姿勢が大切です。
まとめ
米国の住宅ローン会社のブログでは、掲載順位が12位改善したのにクリックは35.8%減り、400本超のうち107本がクリックゼロでした。日本の不動産会社も、定義系の記事を中心に同様の影響を受ける可能性があります。まずSearch Consoleでクリック率の低いページを確認し、自社の実績や地域の情報を足せる記事に手を集中させることをおすすめします。
参考文献
- HousingWire: What 107 Zero-click Pages Say About Mortgage SEO Now(寄稿)
- Google検索セントラル: AI features and your website
- Google検索セントラル: Creating helpful, reliable, people-first content
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引用元: HousingWire
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / EC支援19年5,000社超・AIコンサル100社超 / 宅建業免許 東京都知事(1)第113520号)