Anthropicは2026年8月18日、Claude Codeにデザイン案を作る/designコマンドを追加しました。
コードを書き始める前に、画面のたたき台を出す。その工程がターミナルの中で完結するようになりました。海外の開発者向け機能に見えますが、自社サイトや物件掲載ページ、社内の管理画面を「どう作り直すか」で毎年悩んでいる不動産事業者にとっては、外注前の要件詰めのコストを直接下げうる話です。本記事は、宅建業免許(東京都知事(1)第113520号)を保有し、AI導入コンサル100社超の実績を持つ株式会社オルセル(不動産のチカラ運営)が解説します。
/designコマンドで何ができるようになったのか
結論として、1つのコマンドで複数のデザイン案が同時に出てくるようになりました。The Decoderが2026年8月18日に報じたところによると、Anthropicは開発ツールであるClaude Codeに/designコマンドの早期プレビューを公開しました。「/design a few options for {機能名}」のように指示すると、Claudeが複数の案をアートボードとして生成し、利用者は気に入ったものを選んで編集し、そのまま実装に進めるという流れです。
特徴的なのは、既存のコードベースを読んだうえで案を出す点です。開発者のNate Parrottによる説明では、Claudeは現行のUIスタイルに合わせたうえでモックアップを生成し、成果物はArtifactsとして共有できる形になります。エディタや指示の仕組みは、対話からプロトタイプや資料を作るClaude Design由来の機能で、それがClaude Codeの中に直接組み込まれたという位置づけです。
一方で、現時点では制約も残っています。生成したデザインはビルド工程に引き継がれるものの、保存は手動で行う必要があるとされています。あくまで早期プレビューであり、仕様は今後変わりうる点は前提として押さえておくべきでしょう。利用にはターミナルで「claude update」を実行します。
不動産事業者にとっての3つの論点
第1の論点は、外注前の「たたき台」を自社で作れるかどうかです。不動産会社のサイト改修やLP制作は、要件が固まらないまま見積もりを取り、打ち合わせを重ねるうちに費用と期間が膨らむ構図になりがちです。画面イメージを社内で3案ほど作ってから制作会社に相談できれば、議論の起点が「何を作りたいか」から「この案をどう実現するか」に変わります。
第2の論点は、社内向けの小さな画面をどこまで内製するかです。物件情報の一覧、内見予約の受付フォーム、退去精算のチェックリストのような、業務に密着した小さなツールほど外注しづらく、結果としてExcelと紙のまま残ります。デザイン案の作成から実装までを同じツールの中でつなげられるのであれば、こうした領域は内製の候補に入ってきます。
第3の論点は、それでも人の判断が要る範囲がどこかという線引きです。AIが出すのはあくまで画面の案であり、宅建業法上の表示義務や不動産公正取引協議会の表示規約に沿っているかの確認は、これまで通り人が担う領域です。物件広告の画面は、生成されたレイアウトをそのまま公開するのではなく、必要な表示項目が欠けていないかを宅建士が確認する運用にしておくのが安全です。
明日からの初動アクション
まず、自社で「作り直したいが後回しにしている画面」を3つ書き出すところから始めるのが現実的です。トップページのような大物ではなく、問い合わせフォームや物件詳細ページの一部といった、範囲の小さいものを選ぶと効果を確かめやすくなります。
次に、制作会社との次回打ち合わせに、AIで作った画面案を持ち込んでみることをおすすめします。案が3つあれば、担当者の好みではなく比較で議論できます。あわせて、生成した画面案を誰が確認し、どの段階で宅建士のチェックを通すのかを、着手前に社内で決めておくことも必要です。AI活用の外注可否を整理する視点は、AIベンダーの安全対策の差をどう見るかでも触れています。
そして、内製の対象を広げる前に、Claude Codeのような開発ツールを社内の誰が触るのかを決めておくべきです。担当者が1人もいない状態でツールだけ導入しても、動くものは残りません。ツールの自動化がどこまで進んでいるかは、Claude Codeが日次保守を回している事例も参考になります。
まとめ
Claude Codeの/designコマンドは、画面のたたき台を作る工程を、開発ツールの中に取り込む動きです。不動産事業者にとっては、サイト改修や社内ツールの要件を固める前工程を自社で持てるかどうかが論点になります。早期プレビュー段階であることを踏まえ、小さな画面から試し、法令表示の確認は人が担う体制を先に決めておくのが現実的な進め方です。
参考文献
- The Decoder – Claude Code gets a /design command that lets developers create UI mockups right in the terminal
- Nate Parrott – /design コマンドの解説投稿
- The Decoder – Anthropic’s Claude Design turns chatbot conversations into prototypes, slide decks and marketing assets
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引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / EC支援19年5,000社超・AIコンサル100社超 / 宅建業免許 東京都知事(1)第113520号)