AI検索での露出を支援する米Profoundが、1.8億ドルを調達しました。
日本時間2026年9月16日、TechCrunchが、AI検索最適化(AEO)ツールを提供するProfoundの1.8億ドル調達を報じました。評価額は18億ドル、前回ラウンドからわずか7か月での再調達です。本記事は、宅建業免許(東京都知事(1)第113520号)を保有し、AI導入コンサル100社超の実績を持つ株式会社オルセル(不動産のチカラ運営)が解説します。不動産の集客は長らくポータルサイト依存でしたが、AI検索最適化という新しい土俵が資本市場から本格的に認められた、という受け止め方が妥当だと考えています。
AI検索最適化のProfoundが1.8億ドル調達、評価額は18億ドルに
Profoundは2026年9月15日(米国時間)、1.8億ドルのシリーズD調達を発表しました。同社のプレスリリースによると、Sequoia CapitalとKleiner Perkinsが共同リードを務め、Lightspeed Venture PartnersやKhosla Venturesなど既存投資家も参加しました。7か月前のシリーズCは9,600万ドルでしたので、調達額は1.8倍以上に膨らんだ計算になります。
AI検索最適化(AEO)とは、ChatGPTやGemini、Perplexityといった生成AIの回答のなかに、自社の情報が引用・言及されるように設計する取り組みのことです。従来の検索エンジン最適化(SEO)が「検索結果の順位」を争っていたのに対し、AEOは「AIが生成する答えの中身」を争います。
同社の顧客は1,000社を超え、Fortune 100の3分の1が利用していると公表されています。顧客にはComcast、ウォルマート、エスティ ローダーのほか、Zoom、MongoDB、Figmaといった技術企業も名を連ねます。基盤となっているのは20億件を超える実際のユーザープロンプトで、「人々がAIに何を尋ね、AIが何と答えたか」を計測する点に価値の中心があります。売上は直近6か月で3倍になったとされています。
日本の不動産事業者にとっての3つの論点
結論から申し上げると、日本の不動産事業者がいま向き合うべき論点は、計測・地域差・コンプライアンスの3つです。
1つ目は計測です。SUUMOやLIFULL HOME’S、アットホームといったポータルサイトの管理画面は、ポータル経由の反響しか見せてくれません。エンドユーザーが「品川区 ペット可 賃貸 内見の流れ」のような相談をChatGPTに投げ、その回答のなかで自社サイトが引用されて問い合わせに至った場合、その経路は既存のレポートには現れません。Profoundのような専業ツールに1,000社超の企業が資金を払っている事実は、「AI経由の露出は計測しなければ存在しないのと同じ」という認識が定着しつつあることを示しています。AI検索対策の全体像は不動産のAI検索・GEO対策で整理しています。
2つ目は地域差です。Profoundが2026年8月に公表したSummer 2026 Index Reportでは、80%の業種で欧州と米国のAI検索上位ブランドが異なっていたと報告されています。AIの答えは、地域や言語が変われば入れ替わるということです。全国区の大手だけが有利になる構図ではなく、エリア特化の情報を厚く持つ地場の不動産会社が、その地域の質問で引用される余地が残されていると読めます。
3つ目はコンプライアンスです。生成AIは自社サイトの記述を要約して再提示します。誇大な表現や断定的な将来予測を自社サイトに書いていれば、それが増幅されて第三者に届くことになります。景表法や宅建業法の観点から表現を抑制することは、そのままAI検索への備えにもなります。この論点は宅建業法とAI活用のグレーゾーンでも触れています。
今後の展望と、明日からの初動アクション
まず費用ゼロでできるのは現状把握です。ChatGPTやGemini、Perplexityに「自社名」「主要エリア+賃貸」「主要エリア+売却相談」を投げ、自社が言及されるか、どのサイトが引用元として表示されるかを記録してください。月に1回、同じ質問で定点観測するだけでも変化は掴めます。
次に、物件情報以外の一次情報を自社サイトに積むことです。エリアの相場感、原状回復の考え方、住宅ローン相談の流れ、宅建業免許番号を含む会社概要といった、ポータルには載せられない情報がAIの引用対象になります。ChatGPTを使った不動産の記事作成の進め方も参考になるはずです。
計測面では、自社サイトのアクセス解析でChatGPTやPerplexityからのリファラを別セグメントに切り出しておくことを推奨します。件数が少ないうちに枠を作っておけば、増えたときに気づけます。なお、Profoundは有料広告機能(Ads Studio)にも踏み込んでおり、AI検索面での広告出稿が今後どこまで日本に波及するかは要確認です。
まとめ
AI検索最適化に18億ドルの評価額がついた事実は、AI経由の集客が実験段階を抜けたことを示しています。日本の不動産事業者にとっての現実的な初動は、AI検索での自社の見え方を月次で記録すること、物件情報以外の一次情報を自社サイトに積むこと、そして表現をコンプライアンス基準で抑えることの3点です。ポータル依存から一歩離れる準備として、いま着手する価値があります。
参考文献
- TechCrunch|AEO startup Profound hits unicorn valuation, raises $180M Series D 7 months after last round
- GLOBE NEWSWIRE|Profound Raises $180M Series D at $1.8B Valuation to Build the AI Platform For Marketing Teams
- GLOBE NEWSWIRE|Profound Summer 2026 Index Report Finds 80% of Industries Have Different AI Search Leaders in Europe Than the U.S.
- Profound 公式サイト
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引用元: TechCrunch
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / EC支援19年5,000社超・AIコンサル100社超 / 宅建業免許 東京都知事(1)第113520号)