米国で「ほぼ毎日AIを使う成人」は、半年で8%から19%に増えました。
AI研究機関のEpoch AIが2026年9月14日に公表した調査で、米国の成人のうち週6日以上AIを使う人の割合が、2026年3月の8%から同年8月には19%へと半年で2倍以上に伸びたことが示されました。本記事は、宅建業免許(東京都知事(1)第113520号)を保有し、AI導入コンサル100社超の実績を持つ株式会社オルセル(不動産のチカラ運営)が解説します。日本でも総務省の令和8年版情報通信白書で個人の生成AI利用経験が58.8%に達しており、AIは「たまに試す道具」から「毎日触る道具」へ移りつつあります。この変化は、不動産会社の集客と社内業務の両方に効いてきます。

(グラフ出典: Epoch AI、クリエイティブ・コモンズ表示ライセンスに基づき掲載)
週1回派が減り、ほぼ毎日派が倍増した
今回の調査で最も重要なのは、増えたのが「利用者の総数」ではなく「利用の頻度」だという点です。週6〜7日というほぼ毎日層が8%から19%へ倍増した一方で、週1日だけという層は17%から10%へ減りました。週2〜5日の層は24%から27%とほぼ横ばいです。つまり、いちど使い始めた人が週1回の物珍しさから抜けて、生活の導線にAIを組み込んでいる構図が見えてきます。
調査はEpoch AIがIpsosのKnowledgePanelで実施した2回の世論調査によるもので、2026年3月3〜5日に2,017人、2026年8月28〜30日に1,016人を対象としています。なお調査元自身が、2回の調査で利用日数の聞き方を変えた(3月は全体で1問、8月はサービスごとに日数を質問)ため、頻度の比較は概算であると注記しています。数字を引用する際は、この前提もあわせて押さえておきたいところです。
日本は「使っている」86%、「組織で取り組んでいる」は7割台
日本の状況はもう少し複雑です。総務省が2026年7月24日に公表した令和8年版情報通信白書によると、個人の生成AI利用経験は58.8%で、そのうち約3割がほぼ毎日使っています。米国・ドイツの75.6%、中国の93.6%には届かず、主要4か国では最も低い水準です。年代差も大きく、15〜19歳が91.7%なのに対して60代は33.5%にとどまります。
一方で企業側の数字は伸びています。何らかの業務で生成AIを使っている日本企業は86.4%に達し、2024年度調査の55.2%から大きく跳ね上がりました。ただし「組織的な取組はない」と答えた企業が約27%あり、米国の1.4%と比べると際立ちます。さらに、生成AIに社内データを参照させられるデータベースを整えている企業は日本が24.5%、米国が57.2%、中国が73.0%という開きがあります。白書の内容を整理したセレクトラの解説によれば、白書が紹介した先進事例には、不動産と介護を手がけるアイシングループが全10部門で年間2,247時間分の業務削減につなげた例も含まれています。導入率ではなく、社内の環境整備が差を生んでいるという読み方ができます。
不動産会社が今すぐ見直すべき3つの論点
第一に、問い合わせ前の情報収集がAIに移る前提で自社情報を点検することです。毎日AIを使う顧客は、エリア相場や初期費用の目安、管理会社の評判といった質問を検索窓ではなくAIに投げます。そのとき参照されるのは、自社サイトの物件ページやよくある質問、公開しているコラムです。取引態様や管理戸数、対応エリアなど、事実として言い切れる情報を構造的に書いておくことが、AI経由の露出につながります。詳しい考え方は不動産のAI検索・GEO対策で整理しています。
第二に、社内のAI利用を「議事録と文章の下書き」で止めないことです。白書でも効果実感が高かったのは議事録・メール作成補助でしたが、そこから先へ進めている企業は多くありません。賃貸仲介なら反響メールの一次対応テンプレート整備、賃貸管理なら入居者からの問い合わせ分類、売買仲介なら物件資料の要点抽出といった形で、業務フローのどこにAIを置くかを決めるところから始めるのが現実的です。進め方は中小不動産会社のAI導入30日手順にまとめています。
第三に、社内データをAIに参照させる前に、個人情報の線引きを決めることです。顧客名簿、入居申込書、レインズから出力したデータには個人情報が含まれます。何を投入してよいか、どのサービスを使うか、誰が判断するかを文書で決めないまま現場の個人判断に任せると、組織としては管理できていない状態になります。取り扱いの考え方は不動産業の個人情報保護法と顧客データで解説しています。なお、AI査定や相場予測の出力はあくまで参考値であり、最終的な判断と説明は宅建士が担う点も変わりません。
まとめ
AIの利用頻度が上がるということは、顧客の情報収集の入口が変わり、同時に社内で使われる回数も増えるということです。米国の週6日以上利用が8%から19%へ動いたこの半年は、日本にも時差をもって届きます。自社情報がAIに読まれる形になっているか、業務のどこにAIを置くか、社内データの線引きは決まっているか。この3点を先に整えた会社から、使っているだけの状態を抜け出していきます。
参考文献
- Epoch AI|Near-daily AI use among US adults has more than doubled in six months
- Epoch AI|Polling on AI Usage
- 総務省|情報通信白書
- 総務省|令和8年版情報通信白書(概要)
- セレクトラ|2026年 情報通信白書で見えた日本のAI活用のいま
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引用元: Epoch AI
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / EC支援19年5,000社超・AIコンサル100社超 / 宅建業免許 東京都知事(1)第113520号)